いつも心に鳥をーぱはりんです。
嫌われ者のイメージが強いカラス。
そしてカラスといえばあの真っ黒の羽。
羽だけではなく、カラスはくちばしも脚も真っ黒。
全身まっくろ黒。
と思いきや、よくみるとカラスは実は真っ黒でないことにお気づきでしょうか?
あなたはカラスの羽に黒以外、どのような色が見えると思いますか?
この記事では『カラスの羽の色は真っ黒ではない』というお話をお届けします。
カラスの羽の色は真っ黒ではない!
カラス。
ぱっと見は黒ですがよ~くみてみると、黒の羽に浮かぶ様々な色の光沢を見ることができます。
どうして黒以外の色が見えるのか?
それは、羽と太陽の光に秘密が隠されています。
普段よく見るカラスは2種類いる
普段よく見るカラスはハシボソガラスとハシブトガラスです。
一番わかりやすい特徴はくちばしです。
そのまんま。
くちばしが細い方がハシボソガラス。
くちばしが太い方がハシブトガラス。
- 上のくちばしにほとんど曲がったところがない
- 「ガーガー」と濁った声で鳴く
- 地面では歩いて移動する
- 額に出っぱりがない
- 上のくちばしが太くて曲がっている
- 「カーカー」と澄んだ声で鳴く
- 地面ではぴょんぴょんと跳んで移動。歩くのは下手
- 額はこんもりしていて出っ張っている
乾いている時の羽の色
メインは濃紺~黒紫色ですが、赤紫色も確認できます。
シャボン玉をイメージしてみてください。
シャボン玉の表面は場所によって色が違い、その色はくるくる変化して見えます。
シャボン玉の色の変化とカラスの羽の色の変化しくみはちがいます。
シャボン玉はあくまでイメージです。
シャボン玉の表面の色変化のような、角度によってちがう色がカラスの羽にも浮かびあがります。
以下の写真はカラスの黒以外の色が見える一例です。
真っ黒でないのが分かるでしょうか?
写真は静止画なので「黒」「濃紺」のように、羽によって色が均一に見えます。
しかし動いているカラスを見た時、羽が全体的に均一に”○○色”と見えるのではありません。
今までカラスを観察していて、羽の色の変化はハシブトガラスの方が確認しやすいと個人的には思います。
この写真はビスマス結晶の写真ですが、この写真の色味がカラスの羽の表面に見える色と似ています。
(ビスマスとは鉱物の1種です)
どこに見えるのか
カラスの体のほとんどの場所で見ることはできます。
しかし、一番分かりやすいのは翼です。
その次は尾っぽ。
理由は、翼や尾っぽの羽は大きな羽が多く、面積も広いからです。
そして、カーブを描いている面(翼)のほうが、平らな面(尾っぽ)より色の変化を確認しやすいです。
なぜそのような色が見えるのか
鳥の羽自体には羽の色をつくりだす働きはありません。
鳥の羽の様々な色は、羽の中にある黒~褐色の色素を含んだ「メラニン顆粒」という粒の量と密度、そして太陽の光によって作り出されています。
いっけん白く見える太陽の光には、赤・オレンジ・黄・緑・青・藍・紫といった様々な色の光が含まれています。
メラニン顆粒が太陽の光の中にあるどの色の光と出会ったかで、羽の色が決まります。
また、メラニン顆粒は一列にただ並んでいるわけではなく、ミルフィーユのように層になっていることもあります。
層がどれだけあるかによっても羽の色が変わってきます。
カラスは基本“黒い”ですが黒色も例外ではなく、このメラニン顆粒と太陽の光の関係があてはまります。
光が当たると、太陽の光が作り出す黒以外の色が確認できるのです。
羽の色素の色ではなく、太陽が作り出している色、それがカラスの黒色の中に見られる黒以外の色の正体なのです。
濡れた羽では色はどうなるのか
濡れた羽を乾いた羽と比べると色の見え方に違いがあります。
カラスが水に濡れると
水にぬれたカラスについて考えてみましょう。
鳥の羽は水に濡れると色が変わって見えることがあります。
カラスは基本黒いので色の変化は分かりづらいですが、水に濡れるとより真っ黒になります。
水にぬれると羽の色に変化がある理由
通常、鳥の羽毛は水をはじきますが、時にベチャベチャになってしまうこともあります。
その場合、水にぬれたことで羽の構造がくずれます。
羽の構造がくずれることが濡れたことで色が変わって見える原因です。
羽の構造がくずれるということは、羽が乾いているときに成り立っていた「メラニン顆粒と太陽の光の関係」もくずれます。
カラスの場合、太陽の光の関係が当たっても黒以外の色を確認しづらくなると言えます。
ですが、羽が乾くとまた黒以外の色も見えるようになります♪
まとめ
カラスの羽に黒以外の色が見える理由。
それは羽自体の色ではなく、太陽が作り出している色だったんですね。