いつも心に鳥をーぱはりんです。
親鳥が子供をつれている姿を見ると微笑ましいですね。
身近なスズメやシジュウガラを見ていると、お母さん1羽に子供1羽~3羽の組み合わせが多いのかなと思います。
そんな中、鳥の中にも共同保育をする鳥たちがいます。
え?鳥が共同保育?
不思議に思った方もいるかもしれません。
でもあるんです!
鳥の世界にも共同保育や保育園が。
この記事では鳥の共同保育や保育園についてをお届けします。
鳥の保育園と共同保育
保育園と共同保育、2つの言葉、まったく同じ意味ではありませんが、鳥の場合、ほぼ同じ意味合いで使われます。
Crèche(クレイシュ)
フランス語で「保育園」を意味する言葉です。
鳥の保育園や共同保育をこの「クレイシュ」という言葉で表現することがよくあります。
共同保育をする鳥はどんな鳥?
有名なのはペンギンです。
南極。
あなたもテレビなどの映像で、子供のペンギンたちが1つに固まって大きな集団を作っている様子をごらんになったことがあるかもしれません。
その他に、カモ類、ガン類、白鳥、フラミンゴなど。
水辺の鳥たちが共同保育をすることで有名です。
ですが、ペンギンとその他の鳥たちでは「クレイシュ」の形が少し異なります。
ここでは水族館でもおなじみのペンギンと、そしてカモ類についてご紹介いたします。
ペンギンの場合
ペンギンの場合、ヒナだけで集団を作ります。
これがペンギンの「クレイシュ」です。
ですが、子供達がまったく放置されるのではなく、お世話係のペンギンがいます。
ペンギンのクレイシュは前期・中期・後期に分けらます。
前期ではまだ親との関わりがつよく、クレイシュ(=保育園)に通い、エサは親元(=巣)に戻って食べます。
前期の後半では巣の外ででも親からエサを食べられるようになります。
中期では、子供達が保育園にいる間、親はエサを取りに子供から離れていきます。
後期は保育園解散の時期です。
子供たちがおとなのペンギンになるためにひとり立ちしていきます。
もしとても運がよければ、水族館でもペンギンのクレイシュを見られることがあるかもしれません♪
カモ類の場合
以前、約15羽の子供たちを連れているカワアイサのメスを見たことがあります。
カメラに収まっていたのが15羽の子供。
前後にもっといたので、正確な数字は何羽か分かりません。
1羽のメスが何羽もの子供達をつれている姿は素直に「可愛い」のひとことでした。
クレイシュを作るカモ類として、カワアイサ・ツクシガモ・ホンケワタガモ・ケワタガモなどがよく知られています。
この中で日本で観測しやすいのはカワアイサです。
- オス約70cm、メス約60cm
- オスとメスで色が違う
- 鳴き声は「ガー、ガー」「カルル、カルル」、「グゥァッ、グゥァッ」のように聞えることもある
- 日本では北海道で少数が繁殖
- 上記以外では、日本には冬に九州より北に渡り鳥として飛来、特に北日本に多く見られる
- 河川や湖畔など、淡水の水辺に生息
- 魚を好んで食べる
なぜ共同保育をするのか?
カモ類、ガン類、白鳥、フラミンゴなどが共同保育をする明確な理由にはまだ出会ったことがありません。
ですが、ペンギンに関しては、
- 集団になることで捕食者(天敵)から身を守れる
- みんなで集まって団子のようになることで体温を調節できる、暖をとれる。
もうひとつはかわいそうなのですが
- 弱いヒナが自然淘汰され、強いヒナが生き残っていくため
という理由があります。
カモ類、ガン類、白鳥、フラミンゴなどに関しても上記の理由は当てはまるのではないかと思います。
なぜ水辺の鳥は共同保育が可能なのか?
特にガン・カモ類に言えることですが、野山の鳥とは違い、水辺の鳥は卵から生まれてすぐに自分の力でエサを食べることができるようになります。
なので親の手がかかりません。
そういった意味で、ヒナがたくさん集まってもお世話をしているメス鳥に負担がかかることなくたくさんのヒナの面倒をみることができると考えられます。
ちなみに、ペンギンやフラミンゴではヒナが卵から生まれてから一定の期間、生まれてすぐに自力でエサを食べることはできません。
ペンギンでは「ペンギンの場合」のところで書いたように、保育園と親を行き来してエサをもらいます。
フラミンゴの場合は、生後1-2週間は親元で親にエサをもらいながら成長し、約3週間経ってから保育園に入ります。
まとめ
鳥の保育園・共同保育、その名も「Crèshe(クレイシュ)」。
ヒナが集団で集まっている姿はなんとも愛らしいですが、厳しい自然の中で生き残るための鳥たちが培ってきた知恵の1つですね。
鳥好きとしては1羽でも多くのヒナが無事に大人の鳥に成長して欲しいと願わずにはいられません🍀